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りんご堂

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今日は雲雀恭弥の誕生日

今日は雲雀恭弥の誕生日



「Buon compleanno !恭弥v」
バンッ!
応接室の扉を勢い良く開け、入ってきた少年は言った。
そしてそのままの勢いで、ソファーでゆっくりと本を読んでいた風紀委員長こと並盛最強の不良、雲雀恭弥のもとへ突っ込んでいった。
もちろん避ける恭弥。本を右手に持ったまま、すっと後ろへ下がる。
寸でで目標がいなくなった少年、六道骸は空になったソファーに顔から突っ込み、沈黙。
「・・・。」
「何しにきたの?」
静かになった骸へ取り合えず声を掛けてみる雲雀。
そのままではソファーが使えないので、仕方なくといった感じがありありと声に出ていた。
読書してるとこに入ってきて、しかもソファー使おうだなんていい度胸じゃない。
恭弥以外の人にはきっとこう言っているように聞こえただろう。
がばっと効果音が聞こえそうな勢いで半身を起こす骸。
「恭弥の誕生日を祝いに来たんですよv今日は君の生まれた日でしょう」
にこやかに言ってはいるが、鼻の頭が赤いので、結構なダメージを食らったようだ。
ソファーに。
「・・・あぁ。そうだっけ。」
そういえばそうだったかも。言われて思い出した恭弥。
今朝、草壁も”おめでとう御座います!”とか言ってたかも。
アレは誕生日の事だったのか。どうでもいいけど。
「そうですよw僕の恭弥がこの世に生を受けた日!ですからねv」
お祝いしないとv
プレゼントを持ってきたんですよ。と言って、ガサゴゾポケットを漁る。
「じゃーん!何が好きか良く分からなかったので、いろいろ用意してみましたv」
自分で効果音付けつつ、ポケットからいろいろなものを出す。
ごく普通の学ランのズボンから次から次へと出てくるラッピングされた箱。
どれだけ入るの?そのポケット。とは突っ込まないことにする恭弥。
おかしな出来事は極力スルーするのがポイントである。

「どれがいいですか?」
一通り出し終えたのか、骸が聞いてくる。
「・・・この中から選べって事?」
「ええ。でも他のものでも欲しいものがあれば言って下さい。用意しますからv」
ずらっと並んだ品々を見渡す恭弥。
その姿をわくわくと見守る骸。
暫し考えてから恭弥はこういった。
「じゃあ、コレがいいかな。」
「ん?どれですか?」
並べすぎてどれの事を恭弥が言ったのか分からなかった骸は聞き返した。
「コレだよ。」
んん?
「だから、コレだって。」
「だから、どれなんですか!」
言うだけじゃなくて指差すとかして下さいよ。分かりづらいです。
自分で並べるだけ並べといて分からないと文句を言う骸。
僕の欲しいものも分からないの。しかたないな。
ちょっとあきれを滲ませつつでも半分楽しそうにそう呟いて、テーブルの脇のソファーへ座る。
元恭弥が読書していたソファーの端。骸の隣へ。
「で、どれなんですか!」
分からない事棚上げで、偉そうに言う骸。腕組みまでしそうな言い様で。
「コレだよ・・。」
言って、恭弥は手を伸ばした。骸の頬へ。
は?
テーブルの上の箱たちには目も暮れず、骸へ口づけする。
世界が止まったような感覚からようやっと抜け、現実へ戻ってきた骸の前には恭弥のアップ。
しかも心なしか笑顔・・?
呆けてしまった骸を見、笑いが込み上げてくる。
「っ君が言ったんでしょう?この中から選べって。」
この中。つまり、そこへは骸自身も含まれていた。と?

やられた。
サプライズプレゼントのはずでしたのに、僕がサプライズですよ。
この人には驚かされる事ばかりですよ。全く。
だから楽しいのですが。
「あれ?ではこのプレゼント達は要らないのですか?」
折角恭弥の為に用意しましたのに。残念です。
「君をくれるなら、他のモノなんて要らないよ。」
「え?今なんて…」
衝撃的発言を聞いたような気が。
「プレゼントは黙っててくれる?じゃないとキスできないでしょう」
「恭っ・・・んっ・」
キスしたまま、そっと押し倒す恭弥。
ココ、ソファーでよかったな。…別な場所でもヤルけどね。
頭の隅でそんなことを考えつつ。
次第に骸の肌を吸うことへ集中していく。



翌日、恭弥の機嫌がいつもより幾分よかったとか。
風紀委員が話しているのをツナは聞いた。


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そういえば、骸入ってきた時鍵かけてなかった。
ってかドアちゃんと閉めた?
気にしなそうだよ、雲雀さん…。

*ツッコミいただきました。
5月5日は祝日です。すっかり忘れておりました。
雲雀さんは委員のお仕事で学校きてたんだよ、きっと。(言い訳)


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